薬剤科

薬剤科

薬剤科概要

薬剤科概要

当病院の薬剤科は、薬剤師12名、薬剤助手3名で、みんな明るく、まじめに患者さんの健康づくりのお手伝いをさせていただいております。


また、当院は平成22年1月から日本医療薬学会「がん専門薬剤師研修施設」に認定され、現在、他医療施設より、がん専門薬剤師研修生を2名お迎えしています。

令和4年度厚生連病院薬剤科の実績

①薬剤管理指導業務件数・・・月平均368.9件
②病棟薬剤業務実施加算・・・2012年度から算定
③処方箋枚数(令和4年度1日平均)
*外来調剤:153.9枚(90%以上院内調剤) *入院調剤:119.1枚
*外来注射:43.3枚 *入院注射:138.9枚
④採用医薬品目数 1307品目・・・後発医薬品目数 400品目(91.9%)
⑤抗がん剤調製数・・・月平均 180件(レジメン登録数:181件)

厚生連病院薬剤科の認定取得状況

  • 日本病院薬剤師会薬剤管理指導承認・届出病院
  • 薬学部臨床実習生委託病院
  • 日本薬剤師研修センター実務実習指導施設
  • 日本医療薬学会研修施設
  • 日本医療薬学会がん専門薬剤師研修施設
  • 日本医療薬学会薬物療法専門薬剤師研修施設
  • 長期実務実習受入れ施設(グループ基幹施設)
  • 日本病院薬剤師会がん薬物療法認定薬剤師研修施設
  • 地域薬学ケア専門薬剤師研修施設
  • 日本臨床腫瘍薬学会がん診療病院連携研修病院

厚生連病院薬剤師の専門・認定資格取得状況

  • 日本病院薬剤師会生涯研修認定薬剤師(8人)
  • 日本病院薬剤師会日病薬病院薬学認定薬剤師(7人)
  • 日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師(6人)
  • 日本薬剤師研修センター実務実習指導薬剤師(3人)
  • 日本病院薬剤師会実務実習指導薬剤師(3人)
  • 日本医療薬学会認定薬剤師(1人)
  • 日本医療薬学会指導薬剤師(1人)
  • 糖尿病療養指導士(CDE)(1人)
  • 栄養サポートチーム(NST)専門療法士(1人)
  • 日本医療薬学会がん指導薬剤師(1人)
  • 日本医療薬学会がん専門薬剤師(2人)
  • 日本臨床腫瘍薬学会外来がん治療認定薬剤師(1人)
  • 日本緩和医療薬学会緩和薬物療法認定薬剤師(1人)
  • 日本病院薬剤師会感染制御専門薬剤師(1人)
  • 日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師(1人)
  • 医療環境管理士(1人)
  • 漢方薬・生薬認定薬剤師(1人)
  • スポーツファーマシスト(1人)
  • 臨床栄養代謝専門療法士(がん専門療法士)(1人)

薬剤師の仕事

薬剤師の仕事

薬剤科の仕事は多岐にわたっております。薬剤師の専門性を発揮し、医薬品の調剤、注射調剤、無菌調製業務、医薬品情報提供、医薬品の管理と提供、入院患者さまや外来患者さまへの薬の説明、治験薬管理等を行っています。
また、ICT(感染対策チーム)やNST(栄養サポートチーム)等の様々な医療チームに積極的に参加し、チーム医療の推進につとめています。

調剤業務

患者さまに合った薬が、より効くように、また安全にお届けできるよう、処方された薬の飲み方や量、飲み合わせなどをチェックのうえ、調剤し、説明してお渡しします。
電子カルテや錠剤自動分包機、薬袋プリンターを導入し、業務の効率化を図っています。また、院外処方にも対応しています。

注射調剤業務

外来患者さまや、入院患者さまの注射の調剤、チェックをし、患者さまごとの一日分払出しをしています。
また、特別な空調設備を備えた無菌室と無菌のキャビネット内で、手袋、マスク、ガウンを着けた薬剤師が点滴用の総合高カロリー輸液や抗がん剤の無菌調製を行っています。

病棟業務

患者さまに薬を正しく飲んでいただくために、入院時に持参された薬の管理をしたり、患者さまのベットサイドで薬についての説明をしたり、質問にお答えしたりしています。薬に対する不安や疑問をなくし、安心して服薬できるよう心がけています。
平成24年4月より、診療報酬改訂があり、当院でも、病棟薬剤業務を開始しており、各病棟に専任の薬剤師が、半日常駐し、医薬品の管理や各病棟の入院患者の薬物療法における介入を行っています。診療科ごとのカンファレンス等にも参加し、チーム医療に努めています。

【参加している他職種カンファレンス】
緩和、呼吸器内科・外科、ICT、キャンサーボード、糖尿病、肝臓内科、 内科運営会議、化学療法部会、外科運営会議、呼吸器外科カンファレンス、 医療安全、化学療法ミーティング、NST、外科、術前、病棟会 …など

医薬品情報

薬の効果や副作用の情報を収集し、管理しています。また、薬の安全性や新しい薬の情報を提供しています。医薬品の情報提供は患者さまに対してだけではなく、院内の職員に対しても行っており、医療安全面に関する情報も含めるようにしています。
毎月、お薬に関わるテーマを選び、院内へ『DI(ドラッグインフォメーション)ニュース』として紹介しています。
患者さま向けにはお薬手帳を発行し、他医療機関との連携にも努めています。

医薬品在庫管理

院内で使用されるすべての医薬品を取り扱い、在庫や品質を管理し、有効で安全な使用ができるようにします。

広報・外部活動

広報・外部活動

  • MBCラジオ おはようJA 月~金曜日 朝6時35分~43分
  • 2020年(お薬手帳、薬の飲み方、抗菌薬適正使用、医薬品副作用被害救済制度)
  • 2019年(シックデイ、漢方薬、薬剤耐性、お薬手帳)
  • 2017年(ドーピング、健康被害救済制度、おくすり手帳)
  • 2016年(お薬手帳、薬と自動車運転、薬の飲み方)
  • 2015年(お薬手帳、薬と自動車運転)
  • 2014年(ジェネリック医薬品、薬を安全に服用する方法、薬と自動車運転)
  • 2013年(セルフメディケーション、降圧剤、薬の危険)
  • 2012年(薬の飲み方、お薬手帳、薬を育てる育薬とは)
  • 2011年(薬の工夫、薬の飲み方と保管方法、点眼薬、サプリメントと医薬品、抗がん剤)

学術発表

学術発表(2020年度)

  • 第52回日本医学教育学会学術大会 2020年7月17日~7月18日 鹿児島
    「安全ながん薬物療法を目指した院内スタッフ教育の評価」
    ○上原 友美
  • 第68回 日本化学療法学会総会  2020年9月12日~9月14日 東京
    「抗菌薬適正使用がもたらす効果の検証」
    ○八汐 祥恵
  • 第68回 日本化学療法学会総会  2020年9月12日~9月14日 東京
    「抗インフルエンザウイルス薬のフォーミュラリー運用の評価」
    〇池増 鮎美
  • 第22回 日本医療マネジメント学会学術総会 2020年10月6日・7日 京都
    「抗菌薬の供給停止による影響と対応」
    ○菱川 真衣
  • 第30回 日本医療薬学会年会 2020年10月24日~11月1日 愛知
    「セファゾリン供給不足がもたらした影響」
    ○佐多 照正
  • 第30回 日本医療薬学会年会 2020年10月24日~11月1日 愛知
    シンポジウム4 免疫関連有害事象の重篤化を防ぐために薬剤師はどう取り組むべきか?
    「薬剤師が実践する安全ながん治療を目指した多施設連携~鹿児島がん免疫療法サポートネットワークKISnet~」
    ○上原 友美
  • 第18回 日本臨床腫瘍学会学術集会 2021年2月18日~2月21日
    「血液透析施行中の悪性胸膜中皮腫患者に対してニボルマブが奏功した1例」
    ○上原 友美

学術発表(2019年度)

  • 日本医療薬学会 第7回がん専門薬剤師全体会議
    2019年5月11日 東京
    「当院における免疫チェックポイント阻害薬投与時のチームでの支援」
    ○上原 友美
  • 第13回日本緩和医療薬学会年会
    2019年5月31日~6月2日
    「オキシコドン錠からフェンタニル貼付剤へのスイッチング後の有害事象の発現に影響を与える因子の検討」
    ○赤星 真広
  • 第7回鹿児島セーフティーマネジメント研究会学術大会
    2019年6月22日 鹿児島
    「抗がん薬曝露対策における当院の取り組み」
    ○上原 友美
  • 第17回日本臨床腫瘍学会学術集会
    2019年7月18日~20日 京都
    「ホスアプレピタント使用時の注射部位反応への対応に関する検討」
    ○上原 友美
  • 第8回くすりと糖尿病学会
    2019年9月7,8日 北海道
    「当院のシックデイに対する患者意識調査から今後の対応を考える」
    ○中村 有莉恵
  • 第50回全国厚生連病院薬剤長会議学術総会
    2019年11月1日 福岡
    「鹿児島厚生連病院における免疫チェックポイント阻害薬投与時の有害事象への対応」
    ○上原 友美
  • 第29回日本医療薬学会年会
    2019年11月2-4日 福岡
    「リファキシミンとワルファリンの併用によりPT-INRの上昇が認められた1例」
    ○鶴永 大貴
  • 第29回日本医療薬学会年会
    2019年11月2-4日 福岡
    「免疫チェックポイント阻害薬投与前後にチロシンキナーゼ阻害薬を投与された患者における間質性肺炎の発現と転帰」
    ○上原 友美
  • 第35回日本環境感染学会総会・学術集会
    2020年2月14-15日 横浜
    「セファゾリン代替薬への変更におけるクリティカルパスの見直し」
    ○池増 鮎美
  • 第35回日本環境感染学会総会・学術集会
    2020年2月14-15日 横浜
    「抗菌薬適正使用がもたらす効果の検証」
    ○佐多 照正、 八汐 祥恵
  • 第28回厚生連病院薬剤師業務研究研修会
    2020年2月22日 東京
    「肝性脳症患者を対象とした薬剤師によるフィジカルアセスメントと今後の展望」
    ○堀ノ内 志織
  • 日本臨床腫瘍薬学会学術大会2020
    2020年3月21日~22日 福岡(中止)
    「免疫チェックポイント阻害薬投与における薬剤師の取組みと評価」
    ○上原 友美

研修制度

研修制度

当院の薬剤科に少しでも興味がある方は、いつでも見学等歓迎しておりますので、薬剤科の方まで、気軽にお電話下さい。

がん専門薬剤師研修制度

日本医療薬学会の定めるがん専門薬剤師研修ガイドラインに準じて、がん薬物療法に関して高度な知識と技術を習得し、医療機関において質の高いがん薬物療法を実践できるがん専門薬剤師の養成を行っています。
現在、1名の研修生をお迎えしています。研修日時については話し合いの上、決めていますので、詳しくはお問い合わせください。

臨床研修制度

病院、保険薬局の薬剤師を対象に、がん、感染制御、緩和薬物療法、栄養サポートチーム、糖尿病などの臨床研修を行っており、現在6名の研修生をお迎えしています。
(具体例:①外来がん治療認定薬剤師の取得を目指すため ②施設間の連携のための退院時共同指導を今後行っていくため 等)
研修内容、研修日時、研修期間は話し合いの上、決めていますので詳しくはお問い合わせください。

地域薬学ケア専門薬剤師制度

地域薬学ケア専門薬剤師研修施設として、現在4名の資格取得を目指している保険薬局の薬剤師を受け入れています。
研修内容、研修日時、研修期間は話し合いの上、決めていますので詳しくはお問い合わせください。

治験薬管理業務、治験事務局業務、治験コーディネート業務(CRC業務)

治験薬管理業務、治験事務局業務、治験コーディネート業務(CRC業務)

治験とは、新薬ができる過程の試験です。
薬剤科では、そのお手伝いをしています。また薬剤科では治験事務局として、治験がスムーズに行えるよう支援しています。(CRC業務)

治験実績 以下特に記載ないものは第Ⅲ相臨床試験(治験)

  • 腹部手術後の静脈血栓塞栓症の予防に対する臨床評価
  • CPAP治療中の閉塞性睡眠時無呼吸症候群に伴う日中の過度の眠気に対するプラセボを対照とした二重盲検比較試験
  • CPAP治療中の閉塞性睡眠時無呼吸症候群に伴う日中の過度の眠気に対する長期投与試験
  • 根治的治療不能の肝細胞癌に対して肝動脈塞栓化学療法(TACE)を施行した患者を対象とした、第Ⅲ相臨床試験
  • INF治療歴のあるC型慢性肝炎患者を対象とした、単独投与臨床試験
  • C型代償性肝硬変患者を対象とした、臨床試験
  • 慢性膵炎非代償期または膵切除による膵外分泌機能不全に対する、第Ⅲ相臨床試験(比較試験、長期試験)
  • 腹部大手術後患者を対象とした理学療法対照非盲検並行群間比較試験
  • 肝性浮腫に対する、7日間を超える安全性及び15mgへの増量効果を検討する多施設共同、非対照、非盲検試験(第Ⅲ相試験)
  • 慢性肝疾患による血小板減少患者を対象とした血小板機能試験(第Ⅰ相試験)
  • 潰瘍性大腸炎の治療における第Ⅲ相試験
  • A multicenter, randomized, double-blind Phase III trial to evaluate efficacy and safety of BI 695502 plus chemotherapy versus Avastin® plus chemotherapy in patients with advanced nonsquamous Non-Small Cell Lung Cancer
  • 門脈血栓症患者を対象とした第Ⅲ相試験
  • 鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎・好酸球性慢性副鼻腔炎患者を対象とした第Ⅲ相試験

※治験に関する問い合わせなどございましたら、治験事務局(薬剤科)までご連絡下さい。

がん化学療法

がん化学療法

がん化学療法は医師、薬剤師、看護師など様々な職種が協力して行なっています。薬剤師の業務は調剤室・無菌調製室・化学療法室等で分担して行なっています。
 薬剤師の具体的な業務として、①抗がん剤の治療計画(レジメン)の審査、登録② がん化学療法の処方鑑査③安全キャビネットでの抗がん剤の無菌調製④患者さまへの服薬指導と他施設と情報共有するためのお薬手帳への記載(※図1,2参照)⑤副作用モニタリング、副作用への対応 等が挙げられます。
 特に抗がん剤の無菌調製について、2016年4月から、全ての抗がん剤の調製と投与時に閉鎖式薬物移送システムの導入を行っており、患者さんにもスタッフにも安全性の高い治療の施行に努めています。
 がん治療におけるそれぞれの場面において、安全かつ適正な抗がん剤使用の推進のために細心の注意を払って施行できるようにつとめています。
 さらに、2020年4月より、連携充実加算の算定も開始しています。医療機関と薬局との連携強化を通じて、患者さまに、質の高い医療の提供を目指しています。