平成28年度病院指標
平成28年度病院指標
病院指標における7項目
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞のICD10別患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
定義
定義
病院指標は、下記集計方法と定義にて作成しております。
- 使用したデータ:様式1・様式4・Dファイル(患者単位で把握する主に診療録(カルテ)からの情報)
- 集計期間:平成28年4月1日から平成29年3月31日までのDPC病棟・地域包括ケア病棟の退院患者
- 医療保険を使用された患者さんを対象とし、自動車賠償責任保険や労災保険、自費等は含みません。
- 平均年齢は、最初の入院日時点の年齢を基準としています。
- 10件未満の件数は”-”(ハイフン)で表記しています。
年齢階級別退院患者数
退院患者さんの人数を10歳刻みで年齢階級別に集計しています。年齢は入院日の満年齢となります。
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | – | 20 | 46 | 122 | 173 | 406 | 952 | 837 | 586 | 109 |
Ⅰ定義 ①集計期間に退院した患者さんの年齢階級別(10歳刻み)患者数です。 Ⅱ解説
- 幅広い年齢層の患者さんが入院しておりますが、60歳代・70歳代が一番多く全体の半数以上を占めています。
- 60歳以上の患者の割合が全体の約7割を超え、地域社会の高齢化を反映しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
DPC では入院患者さんの情報が病気と治療方法(手術や処置など)によって 、診断群に分類されます。診療科ごとに症例数上位 5 つの診断群分類について集計し、指標に示されるそれぞれの項目に関しては以下の通りです。
DPCコード
診断群分類を表すコードです。病気と治療方法の組み合わせによって分類されますので、同じ病気でも治療方法が異なれば DPC コードは異なります。
平均在院日数(自院)
病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。ただし、地域包括ケア病棟の在院日数も含まれます。
平均在院日数(全国)
厚生労働省より公表されている平成 27 年度における全国の DPC 対象病院の在院日数の平均値です。
転院率
該当する症例数のうち、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者さんの割合です。
平均年齢
病院に入院していた患者さんの入院日時点の平均年齢です。
内科
内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数 (自院) | 平均在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060050xx97x0xx | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2なし | 227 | 21.33 | 11.74 | 1.32% | 72.49 | |
060300xx99x00x | 肝硬変(胆汁性肝硬変を含む。) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 53 | 22.25 | 13.50 | 13.21% | 73.34 | |
060050xx99x00x | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 51 | 13.76 | 10.33 | 7.84% | 72.63 | |
060050xx99x30x | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 手術・処置等23あり 副傷病なし | 43 | 20.74 | 10.87 | 0.00% | 72.65 | |
060280xxxxxxxx | アルコール性肝障害 | 43 | 34.02 | 16.16 | 9.30% | 58.95 |
内科は、急性肝炎、慢性肝炎(インターフェロン導入、B型・C型肝炎の急性増悪など)、肝硬変(腹水・静脈瘤・肝性脳症)、肝細胞癌 (Ope、TACE、RFA)、糖尿病などが主体となります。近年、糖尿病や脂肪肝といったメタボリックな因子を背景とした疾患が増加していることから、肝臓専門医と糖尿病専門医の垣根を越えた新しい専門領域の診療を構築していくことが重要であると考えます。
消化器内科
消化器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数 (自院) | 平均在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060340xx03x00x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし | 80 | 14.89 | 11.06 | 8.75% | 74.40 | |
060020xx04x0xx | 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃 十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2なし | 51 | 10.57 | 9.02 | 0.00% | 70.94 | |
060102xx99xxxx | 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし | 30 | 8.77 | 7.89 | 0.00% | 65.73 | |
060060xx97100x | 胆嚢、肝外胆管の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし | 24 | 18.54 | 16.26 | 8.33% | 77.08 | |
060100xx03xxxx | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 | 23 | 10.00 | 7.38 | 0.00% | 69.78 |
消化器内科も他の科と同様、中核病院として様々な分野にわたる地域医療の要請に応えるという役割を果たしながら、専門的な医療水準を保つ必要があります。
高度な技術が要求される内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)については、なかでも特に治療が困難な食道や大腸の早期癌への件数が近年増加しております。また胆膵系の2次検診施設として要請に応えるべく、ルーチンの超音波内視鏡も検査体制を工夫し、医療水準を高めています。
循環器内科
循環器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数 (自院) | 平均在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050130xx99000x | 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 63 | 26.05 | 17.95 | 4.76% | 83.13 | |
050070xx99000x | 頻脈性不整脈 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 10 | 10.70 | 7.82 | 20.00% | 74.40 | |
050140xx99x00x | 高血圧性疾患 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし |
10 | 10.50 | 9.30 | 0.00% | 77.00 | |
130090xx97x0xx | 貧血(その他) 手術あり 手術・処置等2なし |
– | – | – | – | – | |
050050xx99000x | 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし |
– | – | – | – | – |
循環器内科は、うっ血性心不全や頻脈性不整脈の治療が過半数を占めており、薬物療法を主体とした心不全、頻脈性不整脈の薬物コントロールなどです。その他、他科と連携しながら循環器疾患を持つ患者さんの内視鏡等の検査や治療、外科手術の術前術後の循環器疾患のコントロールも行い、ペースメーカー交換術、電気的除細動、下大静脈フィルター留置術、心嚢穿刺などの待機的な治療、処置等を行っています。
外科
外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数 (自院) | 平均在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060150xx99xx0x | 虫垂炎 手術なし 副傷病なし | 23 | 9.26 | 6.91 | 0.00% | 50.09 | |
060050xx02x0xx | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝切除術 部分切除等 手術・処置等2なし | 22 | 18.73 | 15.85 | 0.00% | 68.18 | |
060330xx02xxxx | 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 | 20 | 8.70 | 6.82 | 5.00% | 61.50 | |
060340xx99x00x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 19 | 7.26 | 9.93 | 0.00% | 65.79 | |
060020xx02x0xx | 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし | 16 | 25.56 | 17.65 | 0.00% | 69.75 |
外科は、臨床,研究,教育がバランスよく行き届いたチーム作りと関連施設との丁寧な連携作りを目標にして精力的な活動を継続しています。
全身麻酔下手術症例数は消化管,肝胆膵,ヘルニア,乳腺甲状腺,末梢静脈,腹壁疾患を中心とし、また術中にICG蛍光内視鏡システムを用いた臓器血流評価を行うナビゲーション手術は定着し、術後縫合不全発生率は0%となっています。癌化学療法症例も多く、積極的な癌集学的治療が施行され、切除困難な肝転移を伴う大腸癌症例に対する根治的な集学的治療も遂行しました。
呼吸器外科
呼吸器外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数 (自院) | 平均在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040040xx97x0xx | 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2なし | 107 | 15.80 | 12.73 | 0.00% | 69.94 | |
040200xx99x00x | 気胸 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 22 | 7.50 | 9.14 | 4.55% | 45.73 | |
040040xx99000x | 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 13 | 9.08 | 14.83 | 15.38% | 70.54 | |
040200xx01x00x | 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 副傷病なし | 13 | 9.31 | 10.09 | 0.00% | 39.31 | |
040040xx9906xx | 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等26あり | 11 | 18.55 | 19.34 | 0.00% | 72.91 |
呼吸器外科は、肺癌(肺悪性腫瘍)を中心に気胸や縦隔腫瘍の治療を行なっています。肺悪性腫瘍の手術では肺癌の進行度や全身状態に応じて開胸、胸腔鏡下手術を行なっています。また肺癌の進行度によっては化学療法による治療を行なっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別ならびに再発患者数
5 大癌と呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者さんの人数を初発の UICC 病期分類別、および再発に分けて集計しています。平成 27 年度中に退院した延べ患者数となっており、集計対象期間中に入退院を繰り返す場合は、同一患者さんに入退院回数をかけた数でカウントしています。また、病期(Stage)が不明な場合には、「不明」としてカウントしています。
初発
がんの診断、初回治療を行った場合が初発となります。
再発
がんの初回治療以降の継続治療を行った場合が再発となります。
UICC 病期分類
国際対がん連合(UICC)によって定められた 4 病期(ステージ)に分類するものです。①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無の 3 つの要素によって各癌をⅠ期(早期)~Ⅳ期(末期)
Stage(ステージ)
治療前に得られた情報から分類しており、がんの病期分類は、がんがどれくらい進行しているのかという病期・進行度を意味し、Stage(ステージ)ⅠからStageⅣまであり、StageⅣが最も進行していることになります。なお、Stageは、UICC(国際対がん連合)の病期分類に基づいて決定しています。
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) | 版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | 69 | – | – | 21 | 13 | 14 | 1 | 7 |
大腸癌 | 20 | 16 | 16 | – | 15 | 24 | 1 | 7 |
乳癌 | – | – | – | – | – | – | 1 | 7 |
肺癌 | 73 | 14 | 22 | 108 | 33 | 51 | 1 | 7 |
肝癌 | 35 | 23 | 26 | 6 | 24 | 298 | 1 | 7 |
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
- 今回集計した5大癌の患者総数は941件でした。退院患者数に占める割合は、約3割となります。
- 初発のみ(不明を除いた)の患者数としては、肺がんが最も多く、次いで、胃癌・肝癌・大腸癌の順に多い結果となりました。
- 手術・抗がん剤治療など集学的治療に取り組んでおり、放射線治療は他医療機関と連携しております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
成人(15歳以上)の市中肺炎の患者さんの人数を重症度別に集計しました。成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類システム(A-DROPスコア)を用いています。この指標では細菌による肺炎を集計しており、インフルエンザウイルスなどのウイルスによる肺炎や食べ物の誤嚥による肺炎、気管支炎などは集計対象外となっています。
市中肺炎
普段の社会生活の中でかかる肺炎のことです。
重症度分類システム(A-DROPスコア)
肺炎ガイドラインによる5項目での評価のことです。
- Age(年齢):男性70歳以上、女性75歳以上
- Dehydration(脱水):尿素窒素(BUN)21mg/dL以上または脱水あり
- Respiration(呼吸):酸素飽和度(SpO2)≦90% (動脈酸素分圧(PaO2)60Torr以下)
- Orientation(意識障害):意識障害(肺炎に由来する)
- Pressure(収縮期血圧):収縮期血圧90mmHg以下
※上記5つの項目をいずれも満たさない場合は、重症度0となります。
※上記1~5の項目のうち1つでも不明があった場合は、不明となります。
平均在院日数
病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | – | – | – |
中等症 | 55 | 18.13 | 76.06 |
重症 | 16 | 26.56 | 78.63 |
超重症 | – | – | – |
不明 | – | – | – |
- 患者数では、中等症の割合が最も多く占めており原因としては、高齢化の影響と思われます。
また、重症度が上がるほど平均在院日数が長く、平均年齢が高くなる傾向です。
脳梗塞のICD10別患者数等
脳梗塞の分類にあたる患者さんを ICD-10 コード別に集計しました。
CD-10 コード
国際疾病統計分類-第 10 回修正(ICD-10)に基づいて、様々な傷病名が分類され、コード化されています。例えば、「I633(コード)」といえば「アテローム血栓性脳梗塞(病気)」といったように、コードによってその病気が表されています。
平均在院日数
病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
転院率
該当する症例数のうち当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者さんの割合です。
ICD10 | 傷病名 | 発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|---|---|
G45$ | 一過性脳虚血発作及び関連症候群 | 3日以内 その他 |
– – | – – | – – | – – |
G46$ | 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 | 3日以内 その他 |
– – | – – | – – | – – |
I63$ | 脳梗塞 | 3日以内 その他 |
– – | – – | – – | – – |
I65$ | 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの | 3日以内 その他 |
– – | – – | – – | – – |
I66$ | 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの | 3日以内 その他 |
– – | – – | – – | – – |
I675 | もやもや病(ウイリス動脈輪閉塞症) | 3日以内 その他 |
– – | – – | – – | – – |
I679 | 脳血管疾患,詳細不明 | 3日以内 その他 |
– – | – – | – – | – – |
- 当院では、脳梗塞治療をする患者数が、10未満の数値のため、表示しておりません。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
診療科ごとの手術について症例数上位 3 つを集計しています。指標に示されるそれぞれの項目に関しては以下の通りです。
K コード
手術術式の点数表コードです。
名称(部位)
手術術式の名称です。術式が同一でも部位が異なる手術は、部位別に集計しています。
(例)呼吸器外科 K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除)と K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの)は別集計。
平均術前日数
入院日から手術日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
平均術後日数
手術日から退院日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
転院率
該当する症例数のうち当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者さんの割合です。
内科
内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K6152 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) (選択的動脈化学塞栓術) | 249 | 4.78 | 15.89 | 1.61% | 72.19 | |
K533-2 | 内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術 | 29 | 11.10 | 16.83 | 3.45% | 65.59 | |
K635 | 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 | 20 | 0.00 | 1.00 | 0.00% | 67.25 | |
K697-31ロ | 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として) (2センチメートル以内のもの)(その他のもの) | – | – | – | – | – | |
K6153 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) (その他のもの) | – | – | – | – | – |
- 内科では、肝細胞癌・肝硬変などの症例に対し、血管塞栓術、食道・胃静脈結紮術、ラジオ波焼灼療法等の手術が多いです。
- 肝動脈化学塞栓療法(TACE):がんの栄養血管を塞栓し安全で比較的侵襲が低く有用な治療法です。
- 内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL):静脈瘤自体を小さい輪ゴムで止めることにより静脈瘤の血流を遮断する治療です。
- 胸水・腹水濾過濃縮再静注法(CART):肝硬変やがんなどによって貯まった腹水を濾過濃縮して、アルブミンなどの有用なタンパク成分を回収する治療法です。
- ラジオ波焼灼療法(RFA):ラジオ波で熱凝固させ簡便で根治性の高い治療法です。
消化器内科
消化器内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 (長径2センチメートル未満) | 311 | 0.21 | 1.24 | 0.32% | 64.81 | |
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 93 | 6.46 | 10.35 | 8.60% | 74.48 | |
K6532 | 内視鏡的胃ポリープ・粘膜切除術 (早期悪性腫瘍粘膜下層) | 51 | 1.24 | 8.33 | 0.00% | 70.94 | |
K721-4 | 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 | 40 | 1.53 | 7.58 | 0.00% | 70.30 | |
K722 | 小腸結腸内視鏡的止血術 | 30 | 0.90 | 4.30 | 3.33% | 66.17 |
- 消化器内科では、内視鏡を用いたポリープ等の腫瘍切除術(胃・結腸・大腸)や胆道・胆管炎のステント治療等の手術を中心に実施しています。
- 内視鏡的粘膜切除術(EMR):胃や大腸に出来たポリープを内視鏡を使って切除・治療する方法。手術は内視鏡を使って行なうため、一般的な開腹外科手術と比較して、患者さんの体への負担は少なくなります。
- 内視鏡的胆道ステント留置術:うっ滞した胆汁を十二指腸に逃がすための一時的なステント留置や悪性腫瘍などによる胆管閉塞で恒久的に胆汁を逃がす処置が必要な場合にステント留置を行ないます。
- 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD):内視鏡的粘膜切除術(EMR)で取り残す可能性がある大きさの早期悪性腫瘍に対して確実に切除することができます。
- 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術:高周波切除器を用いて、病変の周囲を全周性に切開し、粘膜下層を剥離することにより、病変を含む範囲を一括で切除することができます。
- 小腸結腸内視鏡的止血術:出血があった場合に、組織を縫合しないで、クリップを利用し止血を行う方法です。
外科
外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 37 | 2.97 | 5.73 | 2.70% | 60.92 | |
K6171 | 下肢静脈瘤手術(抜去切除術) | 24 | 1.00 | 5.54 | 0.00% | 63.83 | |
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 18 | 2.67 | 5.56 | 0.00% | 69.78 | |
K719-3 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 | 18 | 5.61 | 18.39 | 0.00% | 70.89 | |
K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) | 16 | 2.44 | 3.94 | 0.00% | 49.25 |
- 外科では、腹腔鏡を用いた胆嚢手術や、下肢の一部を切除して手術を行う下肢静脈瘤手術やヘルニア手術等、患者さんへの負担の少ない手術を多く実施しています。
- 腹腔鏡下胆嚢摘出術:お臍の下の皮膚1.5cmほど切開し、そこから腹腔鏡をお腹の中に入れ、みぞおちと右側の肋骨の下に2個所の合計3個所から細長い鉗子を使って胆嚢を取り出す手術です。
- 下肢静脈瘤手術(ストリッピング手術):足のつけ根と膝の内側の2ヶ所を切開し、静脈の中に細い針金(ワイヤー)を入れてワイヤーごと静脈を抜き去る方法です。
- 鼠径ヘルニア手術:従来の鼠径部からのアプローチに加えて、腹腔鏡下鼡径ヘルニア根治術(TAPP法)を積極的に導入しています。
- 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術:大きくお腹を切り開かないで腹腔鏡と呼ばれるカメラを用いてお腹の様子をモニター画面に映し出し、3mm、5mm、10mm程度のいくつかの小さな孔をお腹に開けて手術する方法です。
- 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの):お腹に1cm程度の穴を開けて器具を入れ、虫垂を切除し原因を根本的に取り除く手術です。
呼吸器外科
呼吸器外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K514-21 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) | 44 | 3.52 | 9.77 | 0.00% | 69.41 | |
K5143 | 肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) | 38 | 2.82 | 21.89 | 0.00% | 69.05 | |
K5131 | 胸腔鏡下肺切除術 (肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)) | 18 | 6.17 | 6.39 | 11.11% | 48.72 | |
K488-4 | 胸腔鏡下試験切除術 | – | – | – | – | – | |
K514-23 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 (肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) | – | – | – | – | – |
- 呼吸器外科では、肺癌に対する手術として開胸手術(肺悪性腫瘍手術)、胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術を進行度や全身状態に応じて選択します。肺癌の標準的治療は肺葉切除が標準的です。悪性度の低い癌や転移性肺腫瘍に対しては部分切除が行なわれます。
眼科
眼科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2821ロ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合) (その他のもの) | 73 | 2.45 | 2.84 | 0.00% | 70.21 | |
K2801 | 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) | – | – | – | – | – | |
K224 | 翼状片手術(弁の移植を要するもの) | – | – | – | – | – | |
K2193 | 眼瞼下垂症手術(その他のもの) | – | – | – | – | – | |
K2802 | 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他のもの) | – | – | – | – | – |
- 眼科では、白内障手術を中心に翼状片手術等も実施しており、症例に応じて日帰り手術も実施しております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
播種性血管内凝固、敗血症、真菌症、手術・処置等の合併症の患者数と発生率を集計しました。
DPC コード
14 桁ある DPC コード(診断群分類コード)のうち、6 桁で集計しています。DPC コード 6 桁とは病名による分類を表しており、治療方法は分類に関連しません。
播種性血管内凝固
感染症などによって起こる、全身性の重症な病態です。治療に大きな医療資源が投入されるため、該当する DPC で高額な点数が設定されています。
敗血症
感染症によって起こる、全身性炎症反応の重症な病態です。治療に大きな医療資源が投入されるため、該当する DPC で高額な点数が設定されています。
真菌症
真菌による感染症です。
手術・処置などの合併症
手術や処置などに一定割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染などが挙げられます。合併症はどのような術式でもどのような患者さんでも一定の確率で起こり得るものです。
入院契機
DPC コードにて分類される包括請求の対象となる病気(DPC 病名)とは別に、入院の契機となった病気(入院契機病名)がそれぞれの入院患者さんにつけられており、DPC 病名と入院契機病名が「同一」か「異なる」かで集計しています。
発生率
全入院患者さんのうち、該当する DPC で入院費の請求となった患者さんの割合です。
DPCコード | DPC名称 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 異なる |
– – | – – |
180010 | 敗血症 | 同一 異なる |
– – | – – |
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 異なる |
– – | – – |
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 異なる |
17 – | 0.52% – |
- 手術・処置等の合併症は、ほとんど大腸ポリープ切除後の出血になります。内視鏡的止血を行っており、重大な合併症はありません。