令和2年度病院指標
令和2年度病院指標
病院指標における7項目
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞のICD10別患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
定義
定義
病院指標は、下記集計方法と定義にて作成しております。
- 使用したデータ:様式1・様式4・Dファイル(患者単位で把握する主に診療録(カルテ)からの情報)
- 集計期間:令和2年4月1日から令和3年3月31日までのDPC病棟・地域包括ケア病棟の退院患者
- 医療保険を使用された患者さんを対象とし、自動車賠償責任保険や労災保険、自費等は含みません。
- 平均年齢は、最初の入院日時点の年齢を基準としています。
- 10件未満の件数は”-”(ハイフン)で表記しています。
年齢階級別退院患者数
退院患者さんの人数を10歳刻みで年齢階級別に集計しています。年齢は入院日の満年齢となります。
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | – | 19 | 46 | 53 | 160 | 244 | 657 | 751 | 460 | 54 |
Ⅰ定義
集計期間に退院した患者の年齢階級別(10歳刻み)患者数です。
Ⅱ解説
- 幅広い年齢層の患者が入院しておりますが、60歳代・70歳代が一番多く全体の半数以上を占めています。
- 60歳以上の患者の割合が全体の約7割を超え、地域社会の高齢化を反映しています。
※患者数が10未満の場合、-(ハイフン)で表示します。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
DPC では入院患者さんの情報が病気と治療方法(手術や処置など)によって 、診断群に分類されます。診療科ごとに症例数上位 5 つの診断群分類について集計し、指標に示されるそれぞれの項目に関しては以下の通りです。
DPCコード
診断群分類を表すコードです。病気と治療方法の組み合わせによって分類されますので、同じ病気でも治療方法が異なれば DPC コードは異なります。
平均在院日数(自院)
病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。ただし、地域包括ケア病棟の在院日数も含まれます。
平均在院日数(全国)
厚生労働省より公表されている平成 27 年度における全国の DPC 対象病院の在院日数の平均値です。
転院率
該当する症例数のうち、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者さんの割合です。
平均年齢
病院に入院していた患者さんの入院日時点の平均年齢です。
内科
内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数 (自院) | 平均在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060050xx97x0xx | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2なし | 167 | 22.14 | 10.70 | 1.80% | 74.23 | |
060280xxxxxxxx | アルコール性肝障害 | 45 | 28.29 | 13.95 | 6.67% | 58.56 | |
060300xx99x00x | 肝硬変(胆汁性肝硬変を含む。) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 44 | 25.14 | 11.63 | 6.82% | 66.48 | |
060050xx99000x | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。)手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病なし | 38 | 16.53 | 8.65 | 10.53% | 71.89 | |
060300xx97100x | 肝硬変(胆汁性肝硬変を含む。)その他の手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 26 | 19.38 | 12.23 | 0.00% | 63.50 |
内科は、肝細胞癌・肝硬変・急性肝炎・慢性肝炎などが主体となります。近年、糖尿病や脂肪肝といったメタボリックな因子を背景とした疾患が増加していることから、肝臓専門医と糖尿病専門医および腎臓内科の垣根を越えた新領域の診療を構築していくことが重要であると考えます。
消化器内科
消化器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数 (自院) | 平均在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060340xx03x00x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病 なし | 88 | 12.82 | 9.53 | 12.50% | 75.70 | |
060060xx9710xx | 胆嚢、肝外胆管の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし | 49 | 14.53 | 13.64 | 10.20% | 76.51 | |
06007xxx97x00x | 膵臓、脾臓の腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 27 | 16.30 | 12.33 | 7.41% | 77.96 | |
06007xxx9905xx | 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2 5あり | 20 | 11.75 | 8.91 | 0.00% | 66.80 | |
060102xx99xxxx | 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし | 17 | 10.12 | 7.74 | 0.00% | 66.94 |
消化器内科では、肝臓の病気を除く、消化器の内科領域の診断と治療を行っています。消化器内科で取り扱っている病気は、食道、胃、小腸、大腸の消化管と、胆のう、胆管、膵臓などの病気です。当科を受診される患者は、腹痛、下痢、便秘、嘔吐、下血などのいわゆる消化器症状のある患者、健診や人間ドックで精密検査を勧められた患者、他の医療機関から、専門的な精密検査や治療を行うため紹介された患者などです。
最近では、鹿児島大学病院から炎症性腸疾患、腫瘍内科、胆・膵疾患の専門医師が常勤として勤務し、大学病院との連携を通じ専門性の高い診療を提供しています。また、肝臓内科とで設置している肝胆膵疾患・消化管疾患ホットラインを通じて、地域の医療機関から直接救急要請が増え、内視鏡処置を中心とした診療を行っております。
循環器内科
循環器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数 (自院) | 平均在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050130xx9900xx | 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし | 23 | 30.74 | 17.23 | 17.39% | 79.13 | |
050080xx9900xx | 弁膜症(連合弁膜症を含む。)手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし | – | – | 12.13 | – | – | |
050070xx9900xx | 頻脈性不整脈 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし |
– | – | 7.09 | – | – | |
050210xx97000x | 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし 1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病 なし |
– | – | 10.56 | – | – | |
050140xx99x00x | 高血圧性疾患 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし |
– | – | 8.69 | – | – |
循環器内科は、心不全や頻脈性不整脈の治療が大部分を占めており、薬物療法を主体とした心不全、頻脈性不整脈の薬物コントロールなどです。また、他科と連携しながら循環器疾患を持つ患者の検査や治療、外科手術の術前術後の循環器疾患のコントロールも行い、ペースメーカ交換術、下大静脈フィルター留置術、心嚢水ドレナージなどの待機的な治療、処置等を行っています。
※患者数が10未満なのでー(ハイフン)で表示します。
呼吸器内科
呼吸器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数 (自院) | 平均在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
030250xx991xxx | 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり | 157 | 2.00 | 2.04 | 0.00% | 56.99 | |
040040xx9910xx | 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし | 117 | 4.02 | 3.39 | 1.71% | 71.63 | |
040110xxxxx0xx | 間質性肺炎 手術・処置等2なし | 33 | 21.27 | 18.61 | 6.06% | 72.33 | |
040040xx99040x | 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病なし | 25 | 12.20 | 9.42 | 4.00% | 71.20 | |
040040xx99041x | 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病あり | 14 | 19.86 | 15.61 | 14.29% | 69.64 |
呼吸器内科では、肺癌・肺感染症・COPD・気管支喘息・間質性肺炎・慢性呼吸不全・睡眠時無呼吸症候群など呼吸器疾患全般の診断と治療を行っています。中でも胸部CTなど画像診断技術、また治療薬の進歩・普及に伴い肺癌患者数は増加傾向です。肺癌診療もこれまで以上に治療効果が期待されます。呼吸器内科では、肺癌診療に積極的に取り組んでいます。
外科
外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数 (自院) | 平均在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳以上)ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 | 46 | 7.93 | 4.86 | 0.00% | 66.00 | |
060035xx010x0x | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除 亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし | 37 | 19.95 | 16.19 | 2.70% | 70.54 | |
060330xx02xxxx | 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 | 34 | 7.35 | 6.41 | 0.00% | 61.24 | |
060335xx02000x | 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 17 | 7.76 | 7.234 | 0.00% | 60.35 | |
060035xx01000x | 胃の悪性腫瘍 胃切除術 性腫瘍手術等 | 16 | 27.13 | 19.04 | 0.00% | 73.25 |
外科は、臨床、研究、教育がバランスよく行き届いたチーム作りと関連施設との迅速、丁寧な連携作りを目標にして精力的に活動を継続しています。
全身麻酔下手術は消化管、肝胆膵、ヘルニア、乳腺甲状腺、末梢動脈、腹壁疾患を中心とし、患者のQOLも考慮した低侵襲の腹腔鏡下手術も多く行っております。また、垣根を越えた診療科同士の連携や看護師、薬剤師など、多職種によるチーム医療をフルに活用し、悪性疾患に対する化学療法や内科的治療を組み合わせた集学的治療も行っています。
呼吸器外科
呼吸器外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数 (自院) | 平均在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040040xx97x00x | 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 136 | 14.54 | 10.83 | 2.21% | 70.45 | |
040200xx99x00x | 気胸 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 16 | 9.19 | 9.18 | 18.75% | 46.63 | |
040040xx9910xx | 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし | 14 | 3.29 | 3.39 | 7.14% | 69.21 | |
040040xx99040x | 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病なし | 12 | 20.42 | 9.42 | 0.00% | 68.58 | |
040200xx01x00x | 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 11 | 10.73 | 10.08 | 0.00% | 26.36 |
呼吸器外科では肺癌(肺悪性腫瘍)を中心に気胸屋縦隔腫瘍の治療を行っています。手術の他、検査や胸腔ドレナージなどの処置、肺癌に対する化学療法(抗癌剤治療)などを行っています。
「肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし」は原発性肺癌や転移性肺腫瘍などの肺悪性腫瘍に対し手術治療を要した場合を示します。当科の入院患者では最も多くを占めています。平均在院日数が全国と比較し長くなっていますが、これは地方や離島の患者が多いこと、高齢の患者が多いことが影響していると考えます。
「気胸 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし」は、自然気胸や続発性気胸で手術を行わずに軽快した場合を示します。
「肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし」は肺悪性腫瘍で気管支鏡検査などの検査目的で入院された場合です。
「肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし」は、主に肺癌に対する全身化学療法(抗癌剤治療)のために入院された場合です。手術と同様、地方や離島の患者が多く、薬の副作用が出てしまった時にすぐに病院を受診できない場合があることから、治療後体調が十分回復するまで入院して経過を見させていただいているため全国平均よりも入院期間が長くなっています。
「気胸 肺切除術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし」は、気胸に対して手術を行った場合を示します。若年層の方が手術の適応となることが多いため、平均年齢が若くなっています。
耳鼻いんこう科
耳鼻いんこう科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数 (自院) | 平均在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
030230xxxxxxxx | 扁桃、アデノイドの慢性疾患 | 22 | 8.32 | 7.94 | 0.00% | 37.73 | |
030350xxxxxxxx | 慢性副鼻腔炎 | 14 | 9.57 | 6.71 | 0.00% | 56.64 | |
030340xxxxxxxx | 血管運動性鼻炎、アレルギー性鼻炎(鼻アレルギー) | 12 | 9.17 | 5.86 | 0.00% | 47.50 | |
030428xxxxxxxx | 突発性難聴 | 10 | 15.20 | 8.81 | 0.00% | 66.70 | |
030240xx99xxxx | 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、 急性咽頭喉頭炎 手術なし | – | – | 5.63 | – | – |
耳鼻咽喉科は、副鼻腔や扁桃など疾患が多岐にわたっています。当院では、内視鏡を用いた副鼻腔の手術などを行っており、その後の経過など患者に応じた治療を行っております。
※患者数が10未満の場合、-(ハイフン)で表示します。
初発の5大癌のUICC病期分類別ならびに再発患者数
5 大癌と呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者さんの人数を初発の UICC 病期分類別、および再発に分けて集計しています。平成 27 年度中に退院した延べ患者数となっており、集計対象期間中に入退院を繰り返す場合は、同一患者さんに入退院回数をかけた数でカウントしています。また、病期(Stage)が不明な場合には、「不明」としてカウントしています。
初発
がんの診断、初回治療を行った場合が初発となります。
再発
がんの初回治療以降の継続治療を行った場合が再発となります。
UICC 病期分類
国際対がん連合(UICC)によって定められた 4 病期(ステージ)に分類するものです。①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無の 3 つの要素によって各癌をⅠ期(早期)~Ⅳ期(末期)
Stage(ステージ)
治療前に得られた情報から分類しており、がんの病期分類は、がんがどれくらい進行しているのかという病期・進行度を意味し、Stage(ステージ)ⅠからStageⅣまであり、StageⅣが最も進行していることになります。なお、Stageは、UICC(国際対がん連合)の病期分類に基づいて決定しています。
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) | 版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | 20 | – | – | – | 10 | – | 1 | 8 |
大腸癌 | 31 | 14 | 12 | 30 | 16 | 14 | 1 | 8 |
乳癌 | – | – | – | – | – | – | ||
肺癌 | 134 | 31 | 39 | 94 | 36 | 48 | 1 | 8 |
肝癌 | 39 | 20 | 26 | – | – | 201 | 1 | 8 |
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
Ⅰ定義
- 5大がんについて、集計期間に入院治療を行った、初発患者のUICC病期分類による患者数、再発患者の患者数を示しています。
当院において、がんの診断、初回治療を行った場合を「初発」として集計しています。また、初回治療以降の継続治療を行った場合を「再発」として集計しています。 - 患者数は延患者数とする。
(例えば一連の治療期間に入退院を繰り返すなど行った場合は、同一患者に入退院を繰り返した回数分をかけた延患者とする。) - 治療前に得られた情報から分類しておりがんの病期分類は、がんがどれくらい進行しているのかという病期・進行度を意味し、Stage(ステージ)ⅠからStageⅣまであり、StageⅣが最も進行していることになります。なお、Stageの決定は、UICC(国際対がん連合)の病期分類に基づいています。
- TNM分類(悪性腫瘍の病期分類)が不正確等で病期(Stage)が不明な場合は、「不明」としてカウントしています。
(病期分類が確定される前に亡くなられた場合等も、病期分類は「不明」となります。)
Ⅱ解説
- 初発のみ(不明を除いた)の患者数としては、肺癌が最も多く、次いで、肝癌・大腸癌・胃癌の順となりました。
- 当院は、手術、肝動脈化学塞栓療法、胸腔鏡的治療、腹腔鏡的治療、抗がん剤治療など患者の同意のもとで治療法を選択しています。
※患者数が10未満の場合、-(ハイフン)で表示します。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
成人(15歳以上)の市中肺炎の患者さんの人数を重症度別に集計しました。成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類システム(A-DROPスコア)を用いています。この指標では細菌による肺炎を集計しており、インフルエンザウイルスなどのウイルスによる肺炎や食べ物の誤嚥による肺炎、気管支炎などは集計対象外となっています。
市中肺炎
普段の社会生活の中でかかる肺炎のことです。
重症度分類システム(A-DROPスコア)
肺炎ガイドラインによる5項目での評価のことです。
- Age(年齢):男性70歳以上、女性75歳以上
- Dehydration(脱水):尿素窒素(BUN)21mg/dL以上または脱水あり
- Respiration(呼吸):酸素飽和度(SpO2)≦90% (動脈酸素分圧(PaO2)60Torr以下)
- Orientation(意識障害):意識障害(肺炎に由来する)
- Pressure(収縮期血圧):収縮期血圧90mmHg以下
※上記5つの項目をいずれも満たさない場合は、重症度0となります。
※上記1~5の項目のうち1つでも不明があった場合は、不明となります。
平均在院日数
病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | – | – | – |
中等症 | 26 | 20.08 | 71.00 |
重症 | – | – | – |
超重症 | – | – | – |
不明 | – | – | – |
Ⅰ定義
①この集計での成人とは15歳以上の患者さんを指します。
②市中肺炎とは、普段の生活の中で発症した肺炎を指します。
③重症度は市中肺炎ガイドラインによる重症度分類(A-DROPスコア)により分類しています。
※A-DROPスコアとは5項目で評価
- Age(年齢):男性70歳以上、女性75歳以上
- Dehydrated(脱水):尿素窒素(BUN)21mg/dL以上または脱水
- Respiration(呼吸):酸素飽和度(SpO2)≦90% (動脈酸素分圧(PaO2)60Torr以下)
- Orientation(意識障害):意識障害(肺炎に由来する)
- Pressure(収縮期血圧):収縮期血圧90mmHg以下
各項目の1つでも不明な場合は『不明』と分類する。
Ⅱ解説
- 患者数では、中等症の割合が最も多く占めており原因としては、高齢化の影響と思われます。また重症度が上がるほど平均年齢が高くなる傾向です。
※患者数が10未満の場合、-(ハイフン)で表示します。
脳梗塞の患者数等
発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | – | – | – | – |
その他 | – | – | – | – |
Ⅰ定義
- ICD-10とは、「国際疾病分類・第10回修正版」のことであって、疾病及び関連保健問題の国際統計分類です。WHO(世界保健機関)により公表された分類で死因や疾病の統計、診療記録の管理などに活用されます。
- 医療資源を最も投入した傷病名が脳梗塞の患者を対象とし、病型別に▽発症日からの日数別▽患者数▽平均在院日数▽平均年齢▽転院率を集計したものです。
Ⅱ解説
- 当院では、患者数が10人未満のため「-」にて表示しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
診療科ごとの手術について症例数上位 3 つを集計しています。指標に示されるそれぞれの項目に関しては以下の通りです。
K コード
手術術式の点数表コードです。
名称(部位)
手術術式の名称です。術式が同一でも部位が異なる手術は、部位別に集計しています。
(例)呼吸器外科 K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除)と K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの)は別集計。
平均術前日数
入院日から手術日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
平均術後日数
手術日から退院日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
転院率
該当する症例数のうち当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者さんの割合です。
内科
内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K6152 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) (選択的動脈化学塞栓術) | 177 | 5.66 | 16.24 | 1.69% | 74.66 | |
K533-2 | 内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術 | 27 | 6.78 | 17.07 | 3.70% | 63.74 | |
K635 | 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 | 19 | 20.84 | 22.42 | 10.53% | 69.68 | |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | – | – | – | – | – | |
K6153 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) (その他のもの) | – | – | – | – | – |
※患者数が10未満なのでー(ハイフン)で表示します。
- 肝動脈化学塞栓療法(TACE):がんの栄養血管を塞栓し安全で比較的侵襲が低く有用な治療法です。
- 内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL):静脈瘤自体を小さい輪ゴムで止めることにより静脈瘤の血流を遮断する治療です。
- ラジオ波焼灼療法(RFA):導電加熱現象を応用し、人体に電気を流すことにより局所を加熱焼灼し、病変を凝固壊死させる治療法です。
- 当科で行っている主な治療は、塞栓術・ラジオ波焼却療法等です。
消化器内科
消化器内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 127 | 2.34 | 10.72 | 11.81% | 76.65 | |
K6872 | 内視鏡的乳頭切開術 (胆道砕石術を伴うもの) | 28 | 2.86 | 6.68 | 7.14% | 75.79 | |
K682-4 | 超音波内視鏡下瘻孔形成術 (腹腔内膿瘍に対するもの) | 17 | 7.88 | 16.41 | 11.76% | 80.00 | |
K6871 | 内視鏡的乳頭切開術 (乳頭括約筋切開のみのもの) | 14 | 1.43 | 7.29 | 21.43% | 74.79 | |
K708-3 | 内視鏡的膵管ステント留置術 | 13 | 0.77 | 9.08 | 9.08% | 65.92 |
- 内視鏡的粘膜切除術(EMR):胃や大腸に出来たポリープを内視鏡を使って切除・治療する方法。手術は内視鏡を使って行なうため、一般的な開腹外科手術と比較して、患者様の体への負担は少なくなります。
- 内視鏡的胆道ステント留置術:うっ滞した胆汁を十二指腸に逃がすための一時的なステント留置や悪性腫瘍などによる胆管閉塞で恒久的に胆汁を逃がす処置が必要な場合にステント留置を行ないます。
- 当科で行っている治療は主に内視鏡治療で, ①閉塞性黄疸へのステント術 ②胆石排石術のための乳頭切開術等 ③胃悪性腫瘍切除術 ④大腸腫瘍切除術 です。
外科
外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 53 | 1.57 | 4.89 | 0.00% | 61.04 | |
K719-3 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 | 37 | 3.41 | 15.81 | 2.70% | 71.30 | |
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 25 | 1.44 | 4.76 | 0.00% | 64.20 | |
K6335 | ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) | 20 | 1.30 | 6.65 | 0.00% | 68.50 | |
K740-22 | 腹腔鏡下直腸切除・切断術(低位前方切除術) | 15 | 2.60 | 17.00 | 0.00% | 61.93 |
胆石症・胆膵炎や虫垂炎,鼠径ヘルニアに対する手術は,多くの割合で腹腔鏡手術を行っています。腹腔鏡手術では、傷の長さが小さいため、術後の疼痛軽減や美容的な面で患者から多くの満足度を得られています。
悪性疾患では大腸癌(結腸癌・直腸癌)や胃癌が多く,癌をしっかり取り除く確実かつ安全な手術を心懸け、腹腔鏡手術を中心に行っております。
また、肝臓癌や大腸癌からの転移性肝腫瘍に対する手術治療も増えており,肝胆膵系悪性腫瘍の外科治療が行えることも当院の特徴の一つです。
呼吸器外科
呼吸器外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K514-23 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 (肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) | 78 | 1.83 | 14.32 | 2.56% | 71.36 | |
K514-21 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) | 42 | 1.55 | 9.10 | 0.00% | 70.19 | |
K488-4 | 胸腔鏡下試験切除術 | 13 | 1.69 | 8.54 | 0.00% | 69.31 | |
K5131 | 胸腔鏡下肺切除術 (肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)) | 12 | 6.33 | 6.50 | 0.00% | 30.83 | |
K5132 | 胸腔鏡下肺切除術(部分切除) | – | – | – | – | – |
※患者数が10未満なのでー(ハイフン)で表示します。
肺悪性腫瘍手術は開胸手術のことで、肺悪性腫瘍手術とは肺癌や転移性肺腫瘍に行う手術のことを指します。
標準開胸とされていた、側胸部に30~40cmの大きな皮膚切開をし肋骨の隙間を大きく開いて、外科医の手を直接胸の中に入れて手術を行なう方法や、10~15cm程度の皮膚切開で行う、小開胸手術があります。
胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術は、2種類の方法があり、胸腔鏡補助下手術と完全胸腔鏡下手術に分かれます。
胸腔鏡補助下手術は、モニター画面だけではなく、小開胸創から直接胸腔内を覗いて手術を行なう方法で、広い視野が必要なため、開胸の創が6~7cm程度となります。
完全胸腔鏡下手術は、胸腔内を覗くことなく、モニター画面のみを見て手術する方法で、切除した肺を取り出すのに必要な最低限の傷3~4cm程度ですみます。
胸腔鏡下肺切除術とは、気胸や肺の良性腫瘍に対し、胸腔鏡下に肺を切除する手術です。試験切除術とは診断をつけたり、肺やリンパ節などの組織を採取するために行う手術です。
当科では主に肺癌に対する手術を行っています。開胸で行うか、胸腔鏡で行うかは、病状や患者さんの全身状態に応じて判断しています。
早期の肺癌や、高齢者、低肺機能の患者さんには、呼吸機能を温存するために部分切除で対応したりします。
耳鼻いんこう科
耳鼻いんこう科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K3772 | 口蓋扁桃手術(摘出) | 21 | 1.10 | 6.19 | 0.00% | 36.43 | |
K344 | 経鼻腔的翼突管神経切除術 | 12 | 1.08 | 7.08 | 0.00% | 47.50 | |
K340-5 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型 (選択的(複数洞)副鼻腔手術) | – | – | – | – | – | |
K340-6 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) | – | – | – | – | – | |
K4611 | 甲状腺部分切除術,甲状腺腫摘出術 (片葉のみの場合) 等 | – | – | – | – | – |
※患者数が10未満なのでー(ハイフン)で表示します。
口蓋扁桃手術は、慢性扁桃炎や扁桃周囲膿瘍などの疾患があった場合に口蓋扁桃を摘出する手術です。 また、内視鏡を用いた鼻副鼻腔手術も行っております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
播種性血管内凝固、敗血症、真菌症、手術・処置等の合併症の患者数と発生率を集計しました。
DPC コード
14 桁ある DPC コード(診断群分類コード)のうち、6 桁で集計しています。DPC コード 6 桁とは病名による分類を表しており、治療方法は分類に関連しません。
播種性血管内凝固
感染症などによって起こる、全身性の重症な病態です。治療に大きな医療資源が投入されるため、該当する DPC で高額な点数が設定されています。
敗血症
感染症によって起こる、全身性炎症反応の重症な病態です。治療に大きな医療資源が投入されるため、該当する DPC で高額な点数が設定されています。
真菌症
真菌による感染症です。
手術・処置などの合併症
手術や処置などに一定割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染などが挙げられます。合併症はどのような術式でもどのような患者さんでも一定の確率で起こり得るものです。
入院契機
DPC コードにて分類される包括請求の対象となる病気(DPC 病名)とは別に、入院の契機となった病気(入院契機病名)がそれぞれの入院患者さんにつけられており、DPC 病名と入院契機病名が「同一」か「異なる」かで集計しています。
発生率
全入院患者さんのうち、該当する DPC で入院費の請求となった患者さんの割合です。
DPCコード | DPC名称 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 異なる |
– – | – – |
180010 | 敗血症 | 同一 異なる |
– – | – – |
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 異なる |
– – | – – |
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 異なる |
10 – | 0.41% – |
- 一連の手術や処置による合併症であり、特に問題はありません。
※患者数が10未満の場合、-(ハイフン)で表示します。